会社の避難訓練で起震車が来ていたので、乗せてもらいました。設定は兵庫県南部地震。関東大震災以上と言われたあの、阪神淡路大震災の地震名がアナウンスされていました。
現代人が日常で体験できる一番大きい揺れが連続する感じでしょうか。それだけなら言語を絶するほどではありません。地方の特急が強く揺れた時ぐらい。多摩テックのカナディアンジェットライダーの横揺れよりは弱いです。
ただし、自宅などで遭遇するであろう状況とは、テーブルと椅子しかないことが違います。実際は照明が落ち、棚が倒れ、ガラス戸が割れ、壁に亀裂が入り、或いは天井が落ちるといったことが、しかも不意打ちで来るわけですから、混乱の度合いは段違いとなります。
しかし逆に言えば家屋自体が壊れない限り、落ちるもの・割れるものを極力減らしておけば、安穏とした我々でも対処可能かもしれない、ということになります。まあ、本棚が壁面を埋める私の自室は無理ですが(ぉ、それでも天井突っ張り棒は設置済みです。
不意打ち対策については、我が820Pも次に予定しているiPhone4も、緊急地震速報に対応していません。元々携帯電話はうっかり忘れるレベルでしか使っていないので、あっても無駄とも言いますが。公共の場所であれば放送があるでしょう。
しかし...緊急地震速報の専用受信機はあまり魅力的ではありません。業務用の高価なものの他は、アイリスオーヤマに一つ、それ以外では三洋のコードレス電話が一つのみ。どちらかというと、緊急警報放送に対応した松下のラジオの方が日常に入り込めそうです。テレビやラジオを日常的に付けている方が違和感がないでしょう。
次の関東大震災は私が生きている間にきっと起こるのでしょう。その時は家族が全員、生きていられますように。
ラリー・ニーヴンの名前を「リング・ワールド」以外で知った人は少数派ではなかろうかと思います。私は「ウォーロック」シリーズで知ったのでした。というか「リング・ワールド」は未読ですな。
なぜ「ウォーロック」かといえば、ゲームブックブームの頃、ファイティング・ファンタジーの最初の掲載誌が「ウォーロック」だったから、という名前だけの繋がりだったりします。本を手に取るきっかけなんて、そんなものでしょう。だからこそ、古本屋で偶然見かけた、表紙がファンタジーっぽい「インテグラル・ツリー」を続いて手に取ったわけです。
「リング・ワールド」はダイソン球ですが、こちらにも近いアイデアがあり、ダイソンツリーと呼ぶそうで。それは彗星上で人間が活動するための籠だというのですが、物質の循環をさせるには資源が乏しすぎて無理そうな気がします。
一方、本作の樹は、大気のあるドーナツ状の惑星軌道を、無重力に近い状態で漂うものとなっています。資源は樹の外にもあり、例えば「池」も漂っており、時々樹と衝突しては洪水をもたらすのです。樹は一つの巨大な環境ですが、永続的なものでなく、それ自身も成長し枯れていく大きな循環が設定されています。
漂う位置で獲得できる資源が変わるため、全ての生物は軌道を修正する能力を持っている...。作中の人間は外来種で、まだ500年程度しか経ていないため、住環境である樹と一蓮托生するしかありません。こうした生物の設定は説得力があります。樹そのものに関しては、巨木より群体の方が進化や生存の説明がしやすい気がします。
作中の人間は、かつて宇宙船から逃げ出した地球人類で、それが文明や科学の多くを失いながら、環境に適応し原始的な社会を形成しています。無重力に合わせて進化し、身体もひょろ長くなっているのです(表紙の青年のように我々のような体型も稀にいる)。受精卵は重力なしでは成長しないことが明らかになっていますが、それも作中で考慮されており、妊婦は汐力を少しでも受ける場所にしばらく居住します。もっとも、受精卵に重力が必要なのは分化過程の話ですので、妊娠が判明する遙か以前に汐力を受けさせないと無駄ですから、死産・畸形出産の確率が高そうです。
疑問を感じるところはあります。樹の両端が反対方向の風を受けるとあります。大気の角速度との相対的なものなのはわかりますが、それなら回転し続けるか、横向きに漂うのではないかと思います。中性子星ルヴォイに対し茶柱のように安定するのが今ひとつ腑に落ちません。
「西は内に、内は東に」は恐らく衛星軌道を航行する話、軌道を下げると角速度が上がり、上げると遅くなる話だと思いますが、何しろ作中の方角がイメージしづらいため、よくわからない部分となっています。
樹は長さが100kmあって、重心ではルヴォイからの引力と遠心力が釣り合っており、無重力です。同じ物体ですから角速度が同一、内側は円周速度が足りず、内側への力を感じるはずです。外側は逆に遠心力が勝り、外側への力を感じるでしょう。これでは何もかもが吹っ飛んでしまうわけですが...何か回収して元に戻す仕組みが必要です。惑星ゴールドブラッドがそれのようですが、作中でもさわり程度のため、気になってしまうと疑問として残ります。
「ウォーロック」でも感じましたが、ニーヴンは人間の描写に関しては妙に生々しいのですね。本作でもいくつかのカップルに子どもができる話が含まれています。それでいて感情の表現は、文化圏が違うためか端折りすぎなのか、わかりにくい部分があり、読みにくさを感じる部分となっています。
終わり方はアメリカ的です。奴隷制への反乱を起こす舞台の名前が「ロンドン」樹とイギリスの地名ですから、ちょっと露骨なところもあります。反乱、漂流、樹の住民たちがかつて乗っていた移民宇宙船の管理AI(立ち位置として一種の神)との接触、その支配からの脱出、奴隷制度のない新天地での新たな生活、ともうSF関係ない話になっています。
舞台設定がSF風味なだけで、大航海時代的な冒険活劇と見るのが正しいのでしょう。元々人間が未開人レベルになっているため、機械類はOパーツ状態で滅多に扱いませんから、本筋をファンタジーとして楽しむことは、著者も望んだことかもしれません。その読み方をする限り、荒唐無稽でおもしろい作品だったと思います。
今年の7月に亡くなったジェイムズ・P・ホーガン氏の代表作を読んでみました。数年前に入手したままだったのですが、ムアコック再読が一段落したタイミングで割り込ませました。
洋モノSF小説とは縁が薄かった気がします。昨年頃からキャプテン・フューチャーを読んでいますが、他は和モノが少々のみ。というか「SF黄金期」50年代作品は、アシモフすら手を付けていなかったような...。
月の裏側で発見された5万年前の、我々地球人類そっくりの遺体。明らかに異文明の彼は何者なのか、その文明はどこにどうしてあったのか、どこに行ったのか。
余計な要素が一切なく、恋愛の「れ」の字さえない純粋なSFです。登場人物、特にダンチェッカー教授に語らせすぎの傾向はありますが、何しろデビュー作ですからね。読んでわくわくする感覚が大変強く、巻末でもそれを何より評価しようとありました。
各分野の研究班が手がかりを辿る様子、他の研究班の成果との絡み合い、議論、新たな発見、符合する「5万年前」...。この辺は手に汗握るのですよ。翻訳されてなおこのテンポの良さは素晴らしい。
また「チャーリー」の足跡を辿る時の、渓谷から見上げた地球の方向に違和感を覚えるシーンなど、巨大な予兆を感じさせるポイントがちりばめられ、読みながら「まさか」と想像させられるのが刺激的です。推理小説みたいですね。
主人公のハントは冷静な観察眼を持った科学者です。メインは物理学ですが、それに留まらない広い視野の持ち主。上から下に、俯瞰してから細部を詰めるタイプです。科学者としてのその姿勢は見習いたいですが、小説としては後半、そのために少し影が薄い気がします。
相棒となるツンデレのダンチェッカー教授は生物学。この人は視野が狭いようで(そのように筆者にミスリードされ)、子分共は本当に視野が狭いのですが、その実、守備範囲の中で絶対確実な足場から攻めていくだけなのですね。この人も無意識の前提を疑うことができる柔軟さがあります。ハントと逆に、下から上に進むタイプ。同一の特徴は同一の系統樹、というのが信念です。
この作品は1977年に発表されました。アメリカのスペースシャトル計画は既に知られていたと思いますが、比較的最近と言えるその頃でさえ、しかもハードSFと分類される作家の視点でさえ、21世紀半ばまでには木星に達すると考えられていたのですね。ソ連もあるしDECもある。それに引き替え、なんたる混迷の現実か。
ミネルヴァの衛星が地球軌道まで漂い月になったと推測する衝撃のラスト。自分の重力を振り切って小惑星帯になるほどの爆発があったら衛星もろとも粉々だろうとか、ミネルヴァが消失しても対太陽公転は止まらないのだから軌道がずれるとしたら太陽の重力じゃなく対ミネルヴァ公転の惰性だろうとか、装備も心許ない人間が生存できる時間で地球軌道まで漂わないだろうとか、そんな速度で飛んだとしたら止まるには衝突しないとスイングバイで宇宙の彼方だろうとか、ツッコミどころは色々あります。
しかし、そういう揚げ足取りは可能ですが、惑星外来種が来たら「進化の大爆発」で説明するだろうというダンチェッカーの言は印象的ですし(カンブリア紀にもありますね)、5万年前の潮汐変化とネアンデルタール人の滅亡とを一挙に説明しようという壮大な構想力は、背筋がぞくぞくするほど圧巻です。
人類はガニメアンからミネルヴァを受け継ぎ、地球はミネルヴァから人類と月を受け継ぐ。地球外の2つの文明の隆盛と滅亡、我々人類の由来、地球の由来、月の由来、2500万年のスケール。戸惑うほどの大きさです。
我々はルナリアンなので、新ミネルヴァ文明と月面の話はそれで決着です。証拠品は川に投げ捨てられてしまいましたから、ダンチェッカー教授の仮説を裏付けるものは未来永劫発見されないかもしれませんが。一方、旧ミネルヴァ文明であるガニメアンの話は続いているようですね。そちらも追々読んでみます。
仕事でもらったVisual C++ 2010 ExpressのslnファイルをダブルクリックしてもVisual Studio 2010 Professionalから開けないので試行錯誤したところ、UTF-8のBOMがないと受け付けられないとわかりました。
Version Selectorは共通でしょうから、ExpressだからといってBOMがないとは思えないので、何かの手違いでしょうが。
入れたのは純粋にVisual C++だけ(ヘルプも無し)ですが、Visual Studio 2010 Professional (評価版)をインストールした時に入るソフト一覧を記しておきます。
Dotfuscator Software Services - Community Edition - JPN
Microsoft .NET Framework 4 Client Profile
Microsoft .NET Framework 4 Client Profile Language Pack - 日本語
Microsoft .NET Framework 4 Extended
Microsoft .NET Framework 4 Extended Language Pack - 日本語
Microsoft .NET Framework 4 Multi-Targeting Pack
Microsoft Help Viewer 1.0
Microsoft SQL Server 2008 R2 Data-Tier Application Project
Microsoft SQL Server 2008 R2 Transact-SQL Language Service
Microsoft SQL Server 2008 R2 データ層アプリケーションフレームワーク
Microsoft SQL Server 2008 R2 管理オブジェクト
Microsoft SQL Server Compact 3.5 SP2 JPN
Microsoft SQL Server Database Publishing Wizard 1.4
Microsoft SQL Server System CLR Types
Microsoft Team Foundation Server 2010 オブジェクト モデル - 日本語
Microsoft Visual C++ 2008 Redistributable - x86 9.0.30729.4974
Microsoft Visual C++ 2010 x86 Runtime - 10.0.30319
Microsoft Visual Studio 2010 Professional - 日本語
Microsoft Visual Studio 2010 Tools for Office Runtime (x86)
Microsoft Visual Studio 2010 Tools for Office Runtime (x86) Language Pack - 日本語
Microsoft Visual Studio Macro Tools
Microsoft Visual Studio Macro Tools - JPN Language Pack
最低でもこれだけは入ってしまいます。
Vista Ultimateに臨時で入れた言語パックをアンインストールしようとして、大量の時間を空費しました。
削除時に複数を選択できるように見えるのですが、最初の一つ以外は失敗しました。これが世間に言う「一つずつしか削除できない」ということのようです。
入れる時は複数同時に入るのに、効率が悪いことこの上ありません。しかも再起動しないと続行できず、またバッチ処理もできません。ただでさえ切り替えだけでも時間がかかるのに。
Vista/7の言語切り替えは、実際には非Unicode部の切り替えも必要になることが多く、再起動が必須になります。そしてVistaの再起動は遅いノートでは5~10分かかります。
人件費...外注の場合で1人月100万でしたか。全部合算すれば自社社員でもそれぐらいでしょうが、再起動1回で¥1000が飛ぶわけです。もちろん他の作業を別のPCでするといった運用面でのカバーはしますが、本質的に効率が悪いことに変わりはありません。
Mac OS Xの言語切り替えはログアウトだけででき、大変ありがたいのですが、Windowsはこの部分に関してはXPから進化していないのです。
言語パックの削除に関しては、全部入れたままにできればよいのですが、残念ながらHDDに余裕がありません。容量があっても切り替えでの再起動は問題なので、仕事が軽い時期に7200rpmのものにでも交換したいところです。
BootCamp環境で双方を移行する方法は、ディスクユーティリティとWinCloneの組み合わせが良さそうなので、折を見て挑戦してみます。
DFJ2を真似したキー設定で使い続けること14年、流れ流れてATOK。
DFJ2/WINがどうだったかは記憶の彼方ですが、VJE-Deltaでは確定前にタブキーを押すと、確定と同時にタブが入力されました。2.0/2.5/4.0共通の仕様だったはずです。
どうなるかというと、Webブラウザのフォームで日本語入力している時に便利なのです。例えば姓を変換してタブを押すと、姓を確定しつつ名の欄に移動する具合になります。
しかしATOK2008では、どう設定してもこれは実現できないようでした。
この場合、とりあえずタブに全文確定を割り当て、確定を検出してVK_TABを発行すれば良いわけです。
Spy++を眺めたところ、確定すると下記のようなメッセージが来ていました。
WM_IME_NOTIFY / IMN_PRIVATE / lParam:0x04
WM_IME_NOTIFY / IMN_PRIVATE / lParam:0x13
WM_IME_ENDCOMPOSITION
IMN_PRIVATEは必ず0x04~0x13の順ですが、変換してから確定するとWM_IME_ENDCOMPOSITIONが二つのIMN_PRIVATEより後(上記のままの順序)、変換前に確定するとWM_IME_ENDCOMPOSITIONが先になります。
Vista/7上のATOK2008とFirefoxの組み合わせではWM_IME_ENDCOMPOSITIONが来ず、また二度目以降の確定の場合は0x13のIMN_PRIVATEも来ませんでした。ということで、0x04のIMN_PRIVATEを処理すれば良いことになります。
XP上でVJE-Delta4.0とFirefoxの組み合わせだとWM_IME_ENDCOMPOSITIONは普通に来るのですが。
DeltaEndにこの仕組みを入れたテスト版で動作を確認できましたが、現在のメイン環境は64ビットです。64ビットEXEとDLLも用意しないと、64ビットアプリにフックが届きませんし、その場合はそれぞれDLLを別名にしなければならないということでした。
# Webブラウザぐらいでしか使わない機能だと割り切る選択肢もあり
32ビットをメインとし、64ビット動作用の子プロセスを呼ぶとして、設定の同期が課題です。まずは32ビットEXE~32ビットDLL間を共有メモリにしてみましょうか。
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