映画の最近のブログ記事

プレデターズ

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Predators.jpgテレビで視聴しましたが、良作でした。やっぱり脳筋でないと!

2010年だったのですね、劇場に行けばよかったです。なんかもう、2の設定を見た時から「ああプレデターも続編はダメだ」と絶望してしまって、ズは「またか」と存在すら記憶に残っていませんでした。

初代のオマージュと思われるシーンも多かったですが、それを抜きにしても見所はたくさんありました。

一人目がちょっとあっさりやられすぎでしたが、二人目の時の殺陣がなかなか。ハンゾー役のルイ・オザワ氏は日台ハーフのアメリカ人で、剣道の有段者だそうですね。

私も授業でとはいえ剣道の教育を受けた人間ですので、日本刀の持ち方とか気になっちゃうのですが、さすがにそんなレベルのボロもなく素敵でした。

新しいプレデターの三人組は支配階級という設定になっており、初代に登場したのと同種の一人が隷属階級として登場するのですが、リーダー格とその初代種とが戦うシーンもあるのです。負けちゃいますけど人外同士の迫力ある戦いは、いいですね。いいですね。大事なことなので(略。

主役のロイスとリーダー格との戦いでは、トラップでダメージを与えてから炎にまぎれてヒットアンドアウェイという、クレバーな戦法で追い詰めましたが、相手の視野は赤外線のみではなかったらしく、心拍音めがけてプラズマ砲を撃たれて絶体絶命に。そこにヒロインのイザベルが掩護射撃、なんとか倒して、さてどうやって帰ったものか、というところで終劇。

初代と違って本作の面々は捕われてきただけで、一つの部隊ではありませんから、信頼とかいうものは最初はありません。戦う中で徐々にチームワークができたりして、無難なストーリー運びですが、終盤に仲間割れもあったりと、変化もありました。

8人もいるので全員を描ききるには時間が足りなかった部分はありますが、適度に端折ったと思います。あんまりそれぞれにスポットを当てても、連続ドラマならともかく映画としては焦点がぼやけてしまいますから。

場所が地球じゃないというのも、ずいぶんスケールが広がっちゃいましたけど、続編、作ってくれないでしょうかね。構想はあるようですが、作られたら劇場で見たいと思います。

松崎しげる宇宙へ

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starwars_ntv.jpg日本初放送のスターウォーズをようやくDVDにしました。放送されたのは1983/10/5ですから、私は小学3年生ですね。

引っ越しでRDR-HX92Wを処分してしまったので、DVR-77Hに分割して取り込み、PC上で繋げて2層にオーサリングしています。SL-J10録画、再生はいつものSL-2100。

保存状態はあまり良くなく、何カ所かで映像が飛んでいました。文字通りテープが擦り切れるほど見たものなので、ソロとチューバッカがストームトルーパーを追いかけたら団体さんがいたシーンに関しては、当時からの欠損で懐かしく思い出しました。

Ep.4限定ですが、松崎しげるハン・ソロは結構好きなんですよ。これが辛気くさいEp.5や、特にラブストーリーが入るEp.6になると、彼の声では似合わなくなるのですが、豪快な感じは単純活劇には適任です。宇宙港の酒場でジャバの手下と対峙するシーンや、ダース・ベイダーの僚機を急襲するシーンなどは最高です。

ベイダーの吹き替えもこれが好きです。レイア姫に白黒時代の吹き替えのような古さを感じるのと、ルークが掠れ声すぎるのが問題ですが。

本編冒頭からテレビ局のスタジオに繋げる寸劇は批判の声も多いのですが、今では、まあ、いいんじゃないかと思うようになりました。テレビも商売ですから、見てもらわなければなりません。女子供ならぬ男子供は放っておいてもSF活劇に飛びつくでしょうが、お茶の間全体を楽しませるにはショーアップも必要でしょう。

しかしタイアップが機能していない時代だったのですね。1983年はEp.6の年ですが、封切りは7/2らしいのです。10/5はまだまだ上映していたはずですが、何とか間に合わせた感じでしょうか。

さて、数十年を経たエアチェックの楽しみはCMの楽しみです。いすゞアスカターボとか、ワンダーシビックとか、東芝TOSWORD JW-1とか、貴重なものが入っていました。当時は既にMZ-2000を触っていた頃ですが、ワープロなるものの存在を知りませんでしたから、こんなCMは全く記憶にありませんでした。

続・トライガン劇場版

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trigun.jpg池袋で見てまいりました。黒猫様も健在でした。

ストーリーは外伝です。原作で言うとマキシマムの序盤ぐらいでしょうか。原作仕様のナイブスが見たかった気も少しありますが、アニメはあれで完成しているので、独立した話として作るのは無難でしょう。

ガスバックとアメリアという二人のゲストキャラが軸になっています。

巨漢のおっさんガスバック。内藤先生はアメコミの流れを汲む作風ですので、極端なプロポーションのキャラが名物ですが、彼は比較的まともな体型です。ネブラスカファミリーみたいなのでは、ギャグ以外のことはできませんし(笑)。

ノーマンズランドは砂漠の世界ですので、どうしても奪い合いが起こる。そこでそれなりの信念を持って奪い合い...豪快な強盗に興じるのが彼です。右腕の武器は切り替え式で、活躍ぶりは劇場版の尺に悪役一人という重責に見合うものになっています。

若い女の子キャラがアメリアです。お陰でメリルとミリィは完全に脇役でございます。クールですがツッコミもこなす器用な人。男に触られると蕁麻疹、というのも生い立ちを反映しています。武器は普通の銃だけですが、最後にガスバックと秘密兵器同士の対決があります。

原作ではヴァッシュがひたすら身を挺して善人も悪人も助ける、比較的単純な描写でしたが、助けられた悪人が再び罪を犯したら、というのが本作というよりアメリアのテーマになっています。

ヴァッシュも神様ではありませんから、全ての人を救えるわけではなく、ヴァッシュによって助けられた悪人に害された人がいたとしたら、その悪人だけでなくヴァッシュをも恨むでしょう。そのあたりの結論を直接は語らせていませんが、原作と合わせると、プラントに依存する荒野の世界においては、何よりも生きていること、命を繋いでいくことが大切となるでしょうか。

ウルフウッドは途中から出てきますが、テレビシリーズに比べてパニッシャー(の機関銃)の着弾が派手になった気がします。アメリアと二人でガスバックの手下と交戦するシーンが素敵でした。

序盤はギャグ多めでウエスタンなカオス加減もいい感じ。アメリアという相手がいるためヴァッシュの軽薄さと器用な変態さも磨きがかかっています。手袋や靴を一瞬で脱がす早業は世界記録かもしれません。

ガスバックは磯部勉氏。内藤作品ではガングレイブで繋がりがあるのですね。舞台出身で素晴らしい声です。昔の名だたる声優も舞台出身でしたっけ。
ガスバックのかつての手下で、ターゲットにされるケインという人物を島田敏さんが当てられています。小物キャラが本当に似合う声です。
回想シーンのみですがアメリア母を永遠の17歳こと井上喜久子嬢。母親役は珍しいかもしれませんね。

パンフレットにグッズ通販の案内が入っています。ショットグラスセットは涙が出そうなので躊躇しますが、メタルチャームセットもいいですね。
公開二日目という、珍しく非常に早いタイミングで映画を見ました。たしか「サイレント・メビウス」か何かで舞台挨拶を見ていますが、それに次ぐ快挙。

ルイス・キャロルによる2作品のその後だと伝えられていましたが、アリス・キングスレイ(ミア・ワシコウスカ)は19歳で、結婚を目前にしている設定となっています。

まあ、でも、実質の主役はジョニー・デップ演じる帽子屋ですね。役名もマッド・ハッターとなっており、怪優の本領が発揮されています。三月ウサギと並んだキ○ガイの共演は必見です。

登場人物は両方からの総出演ですが、ストーリーは鏡の国の方がメインとなっています。有名どころではハンプティ・ダンプティが出てきません。モンスターとしてバンダースナッチ、ジャブジャブ鳥、そしてラスボスにジャバウォッキーが登場します。

チェシャ猫は相変わらず出たり消えたりしています。吹き替えで見たのですが、声がとても合っていました。

青い芋虫アブソレムの「ほど遠い」や、マッド・ハッターの「すごかった」といったキーワードは、女性の強さを語っているようです。ここでマッド・ハッターは迷っているアリスに「すごか『った』」と言っています。この強さは幼い頃から持っているものだということでしょう。

鎧と盾と剣で武装したアリスなんか、なかなか見られないでしょう。個人的にはワルキューレ風が見たかったりしますが。
ただ、こう直接的な戦いではルイス・キャロルの世界観からかけ離れているようにも思います。インディ・ジョーンズ程度には謎解きを交えてくれれば、もっと楽しめたでしょう。

全体的に伏線を踏み潰していく強引さがあるので、引き継いでいるのはイカレた雰囲気だけと考えておいた方が良いですね。結末は現代風ですが鼻につく人もいるかもしれません。

ストーリーは重厚とは言い難いですが、映像とイカレっぷりだけでも充分に見る価値があります。

で、「エルム街の悪夢」のポップが立っておりました。6月末の公開だということで、こちらも楽しみです。

やさいのようせい

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yasai.jpgアバター公開中だというのに、初3D映画はこちらになりました。八高線・秩父線での電車旅行で羽生駅に着いた際、駅にポスターが貼られており、絶対に見ようと決意した次第。

原作が天野喜孝の絵本だとか。うねるような背景と目つきの悪いキャラクターの挿絵しか印象にありませんでしたから、驚いてしまいました。

NHK教育で放送していたのだそうで、前半は非3Dでそのダイジェスト。後半は3Dの劇場オリジナルです。さすがに子連れが圧倒的ですが、大人だけの方も少しいました。

妖精達が楽しく遊んでいるだけなのですが、楽器も色々出てきますし、色んな遊び方をします。子どもをわくわくさせる刺激を持った作品です。大人にとっても癒し系で、微笑ましく嬉しい気分になります。

キャラクターはもう全部可愛いです。ぬいぐるみが販売されている芽キャベツとレタスはもちろん、脇役ですがニンジンに惹かれました。
野菜ですからモルドレイスというカビが天敵で、これがちょっと怖いです。幼稚園児ぐらいには本気で怖いかもしれません。

さて、「やさいのようせい」はワーナーマイカルシネマズのみの公開です。3D映画にも方式があるそうでして、ワーナーのものは円偏光を利用したRealDというものだとか。メガネは偏光フィルタだけでできているので、軽量で安く使い捨て可能。ただし少し暗くなります。スクリーンも半ば専用のものが必要。

トップシェアは109やTOHOが使う、液晶シャッターを使ったXpanDで、メガネ側が高コストで重くなります。スクリーンはそのまま使えますが、シャッター制御の信号を出す装置を付ける必要があります。

本作のように場面が明るく、観客に子どもが多い場合、ワーナーのみというのは正解でしょう。メガネがどう扱われるかわかりませんし、重いと子どもには負担です。逆に「アバター」のように暗いシーンも多そうな作品は、109やTOHOで見る方が良さそうです。

斬撃ZANGEKI

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zangeki.jpgいやもう、低予算映画です。ちなみに原題は"AGAINST THE DARK"

何かよくわからない治療法のない感染症で人々がゾンビ化、とある病院の生存者が脱出するために出口を求めて彷徨う、と日常的なゾンビ映画です。
そこに救助活動をしている民兵組織「ハンター」が合流する、というのだけが付け加わっています。もちろんセガールたちですね。

まず、前半が退屈です。拳銃すら持たない全くの一般人ですから仕方ないのかもしれませんが、それこそ女優の胸ぐらいしか見所が...。B級ホラーにしては女優が普通に綺麗なので、それはそれで見所ですが、ゾンビが少ないのは考えもの。

後半はテンポも少し良くなりますが、何しろシーンが暗すぎるのでよく見えませんでした。照明を完全に落とせない映画館だったせいもあるのでしょうが。
セガール演ずるタオが剣を振り回すのはもちろん、両手ナイフのタガート(タノアイ・リード)も格好良かったので、もうちょっと堪能したかったところ。

娘ソフィー(アンドレーア・ウングレアヌ)が理性あるゾンビになったという外科医サージョン(クローデュ・ブリュオント)のシーンは、この映画に少しだけ個性を与えています。しかし他の感染者からサージョンを守れるほどの戦闘力を持つソフィーは、戦闘シーンもないまま退場してしまいました。
時節柄、子どもが死ぬシーンは映せなかったのでしょうが、バイオハザードのアリス的なものを多少は見せてもらいたかったものです。

ひたすら脱出するために進むのみと進行は変化がありません。単にゾンビの数が増えていくだけです。別に第三勢力が干渉してくるわけでもなく、ラスボスがいるわけでもなく、これはさすがにいただけません。
また登場人物が分断されている時間が長すぎ、位置関係が把握しづらくなっています。観客を混乱させるのは良くないです。

軍の空爆予定時刻が迫るのも、当事者達は知らない話なので、「しむらーうしろうしろ」的に観客だけが緊迫することを強いられます。登場人物達が急いでミスするぐらいの描写は欲しかったです。

この世がゾンビのものになったら我々の方がモンスターだ、とか思わせぶりな台詞もありますが、恐らく深い意味はあまりなく、もちろん伏線はほとんど回収されず。
バイオと設定が被ってでも、やはりソフィーは人体実験の産物だった方がとも思いますが、投げっぱなしのB級臭も乙なものなので、問題ないかもしれません。

爆撃のために出てくるF-15は低予算っぷりが際立ちます。離陸は恐らく資料映像か何かの流用でしょう。飛行中はCGというか、迂回する理由もない目標地点への巡航中に急旋回する意味はないのですから、普通に飛ばせてあげてください。着弾シーンに至ってはもう痛々しくて...。

前半さえ何とかなれば、もう少し良いB級映画になれたかもしれませんが、ごらんの有様だよ!

パンフレットを買えなかったのが心残りです。ネットオークションに出品されないですかねー。

2012

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2012.jpgまた...最終上映でした...。病気ですね。
見てる最中は楽しい作品でした。リアルタイムの迫力では優れているということで、それは間違いありません。以下は、思い返すとつまらないなあ、という視点によるものです。

マヤ歴が云々するので、例えば時空転抄ナスカのような、こてこてに中米っぽいシーンが少しはあるかと思ったら、全くありませんでした。集団自殺のテレビニュースぐらいでしか映らなかったのではないでしょうか。

いつも通りストーリーは希薄ですが、致命的なのは、2012年という数字の必然性が全く表現されていなかったことです。
例えば1999年は、少なくとも20世紀終盤にあってはそれだけで説得力がありました。日本では五島勉由来のノストラダムスの存在もありましたので尚更です。

しかし2012年というマヤ歴の終わりは知名度が低いため、ある程度の時間をかけて端々で取り上げ、重みを持たせなければなりません。限られた尺の中で一つの設定に説得力を持たせるのはホラー映画が得意とするところですが、せっかくのバックボーンが数字に過ぎぬままとなり、ただのパニック映画になってしまいました。

せめてマヤの神殿の地下から地殻の崩壊が始まるぐらいはできたでしょうに、ストーリーは何故かインドから始まり、崩壊の始まりはアメリカでした。そして方舟は中国。超大国の世代交代を暗示しているつもりでしょうが、地球の核が熱せられているなら全世界同時が自然ですが、このご都合主義にハリウッドの悪いところが見えてしまいます。

CGも見飽きた動きで興醒めするところもありました。サンピエトロ大聖堂の崩壊が最たるもので、作為的なローアングルの画面を埋め尽くす、微妙に浮いた巨大物体でシーンの最後を締めるのは、そろそろ止めにしてほしいものです。
不自然に鮮やかすぎるのも相変わらず。これは特撮のB級映画でも時々あった傾向で、技術より作り手の問題でしょう。本作だと例えばハワイのシーンは煙っていなければなりません。

地割れのヒビの表現にしても、何だか卵の殻が割れるようで厚みが感じられませんでした。ナイフで切ったようにスパスパ裂けるほど地面は固くありません。車で逃げるシーンでは、それが気にならないぐらい全体の動きも複雑で迫力がありましたが。

危険だったけれど無理して助けられる人を全員助けました、というよくあるハートフルなシーンで目論見通りに感動する以外は、スピード感しか取り柄がないようなものでした。パニックものにしても薄すぎないでしょうか。

残された人を収容するのも、30万人全滅のリスクを考えると甚だしく疑問です。「子どもにどう伝えるのか?」似非ヒューマニズム極まれり。ボランティアもそうですが、やれる範囲を超えたものに手を出して自滅したら誰が幸せになるのでしょう。
「ジオブリーダーズ」11巻に「行動が美しいからって結果が常に美しいとは限らない」という台詞があります。正義の味方を「一人を助ける為に九十九人を死なせる人」とする辛辣な論評に続くシーンです。絶対に勝てるならともかく、と。

あそこに少なくとも1隻分10万人が残っていたわけですが、助かるはずの30万人をも全滅させるリスクを背負った葛藤は描かれていませんでした。少しでも助けようとするが、もう間に合わなくて収容しきる前に断腸の思いでゲートを閉じるぐらいすべきです。
何しろ全世界で何十億人もが、ほとんど描かれずに死んでいるのですから、その程度はしないと、わずか数日であらゆる生命が死に絶えていく、大絶滅が目前に迫っているリアリティがありません。

船尾ゲートが閉まらず、主人公ジャクソンが命がけで直すのも、自分らが壊したのだから独り相撲だよね、とツッコミできてしまいます。
また海賊ラジオ局のチャーリーが作ったと称するアニメで強引に観客への解説をするあたり、SFの説明は苦手なのかもしれません。

ラストシーン、アフリカに行こうとなるのはミトコンドリア・イヴ的な繰り返しなのでしょう。また視点の高度がどんどん上がって映る地球の大陸はパンゲアでしょうか。終わり方だけは悪くありませんでした。

初BD

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「ターミネーター2 プレミアムエディション Ver.2.0」が届きました。私にとって、映像ソフトとしては初めてのBDになります。

何度も見ているので内容は今さらですが、フジテレビ1996年放映版の音声が収録されているのが最大の特徴です。エアチェックを紛失し、また聞きたいと切望し何度かテレビ局にも当時のジェネオンにも投書したことがありますが、遂に再会できました。

「地獄で会おうぜベイビー」、これが聞きたかったのです。「さっさと失せろ、ベイビー」では全然違います。この辺はシュワちゃん慣れしているテレビ局の方が上手いですね。「コマンドー」的と言いましょうか。それに原語"Hasta la vista, baby."は「また会おう」(あの世で)の意味ですから、「失せろ」は適切ではないでしょう。

全体の台詞回しはビデオ・DVD版が整っているようで、表現自体は津嘉山正種のものが一番良いですね。命令の言い回しも「~するんだ」でなく「~しろ」となっており、個人的にはこの方が短く簡潔で好きです。
一番違うのはT-1000を倒した後のT-800の台詞で、原語"I need a vacation."を「休暇が欲しい」としているのは、字幕と津嘉山正種版だけです。玄田哲章版は全て「修理が必要だ」となっていて、物語後半を学習に より人間っぽくなっていったT-800の台詞なのに、機械の表現でちぐはぐになっています。

さりとてT-1000の声は咲野俊介が好きで、また印象に残る決め台詞は相変わらずフジテレビ版が優れていると感じます。比較してこの三律背反な事態に気付き当惑です。
決め台詞については、劇場に行かなかった私が最初に見たのが「地獄で会おうぜベイビー」版だということもあるかもしれません。実際に優れた表現だと思いますが、時間が経ち、要所の台詞だけが記憶に残ったことで、その後の吹き替えに違和感を覚えたとも言えそうです。

やはり最初の印象はいつまでも残るもので、例えば悪名高い日テレ初放映版スターウォーズEp.4(松崎しげるハン・ソロ)も時々見たくなってしまいます。エアチェックを発掘してあるので、またDVDにダビングする予定です。

最近は段々とテレビ局製作の吹き替えも収録されてきていますが、この調子で頑張ってもらいたいものです。「キャノンボール2」とかどうでしょう?

ゾンビ

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zombie.jpg中学1年の時、スキー合宿に向かうバスの中で見たのがこれで、ホラー映画初体験でした...。

当時の友人が持ってきたのですが、流すのを許可した先生も理解ありすぎでしょう。その日一日吐き気がしたのも思い出の彼方、今ではスパイダードッグを見ながらスパゲティを食べられます。

しかし語り継がれる作品の一つでホラーに入門したことは幸いだったかもしれません。これが救いようのない単なるスプラッタだったら、きっとジャンルそのものを嫌いになっていたでしょう。

噴水の中の小銭をつかみ取るゾンビ。バーゲンの館内放送で売り場に向かうゾンビたち。やはり消費活動は人間風刺の槍玉としては定番どころです。もう死んでいるのになお煩悩に動かされる姿は、皮肉が強すぎるぐらいのシーンです。
そして、鍵をかけその中のゾンビを駆逐した安全なショッピングセンター中で、気ままなひとときを過ごす主人公たちも、消費の虜になっているわけですね。

ヒロインはフランですが、一人しかいない女性というだけでなく、あんな世界で子どもを身ごもっているのは希望の象徴でしょうか。欲にくらんで自滅する弱さを表したスティーブン、この世に絶望して自殺すると見せ一転、最後まで戦い続けたピーター、二人のヒーローはそれぞれに人間を表現しています。調子に乗って早々にやられてしまうロジャーは最も人間の脆さを表しているでしょうか。

一方で、仮のオアシスを破壊するヒャッハー野盗の面々、人体の5%をゾンビに食わせろとのたまう傲慢な科学者、共にゾンビが生まれてしまうような救いのない世界を表しているようです。

早くからファンタジーのゲームに接していると、ゾンビはあくまでモンスターであり人間とは違うという感覚を持ちますが、そうでない人から見ると人肉を貪る死体たちは共食いに見えるでしょう。つまり食人、カニバリズムです。慣れとは恐ろしいもので、劇中の政府放送を聞くまで気付きませんでした。
さらに最低でも死体の首を切り落とすことが求められる世界観は、死者への敬意という大抵の宗教が持っているタブーにも挑戦してしまっています。当時は恐ろしいほどセンセーショナルだったことでしょう。

リメイクではゾンビが走るらしいですが、それは逆にメリハリがないように思います。死体は魂がないのですから、魂が抜けたような動きであるべきです。

この先、便乗派生作品を追いかけるのも楽しそうですが、「人間解剖島ドクター・ブッチャー」とか今時のレンタル店には置かれていない作品も多いようで、買うとなると高いので思案のしどころです。とりあえずロメロのシリーズから始めましょうか。

ゼイリブ

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theylive.jpg遠い昔、アメリカへホームステイに行った折、ホストファミリーで見かけた映画がこれでした。

1989年の夏、公開の翌年ですからレンタルビデオかケーブルテレビか。日本人から見ると風変わりなビデオデッキがあった気がするので、レンタルの方だったでしょうか。いずれにせよ、こんなマニアックな作品との邂逅が海外での話だなんて、珍しいにも程があります。

教会へのガサ入れの後、段ボールを運び出してサングラスをかけるシーンあたりから記憶が始まり、銀行で銃を乱射した後、小さなUFOを撃ち落とすシーンまで覚えていました。おかげでこの作品だと後から調べられたのですが、それももう10年以上前の話です。パソコン通信時代かインターネット初期かに掲示板で教えてもらうことができました。

カルト的作品らしいと知って見てみたくなり買っておいたのですが、結局長年放置といういつもの有様でございます。
型番を見る限り2000年版のものでした。その後2003年に再販されましたが既に廃盤。ややプレミアムが付いてしまっているそうで。これも吹き替えでの放送があったらしいので、次に発売する時はぜひ収録していただきたいものです。

支配階級を宇宙人として描く風刺作ですが、特に流行ものの広告に違和感を覚えたことがある人は多いでしょう。「今年の流行はこれだ!」...流行らそうとしているだけでは?と。
別に何のことはない、扇動は消費を効率よく回すための方法に過ぎないのですが、そこに悪意があったとしたら、こういう解釈になるでしょう。

「バトルランナー」や本作のようなテレビ風刺作品は、今時のテレビでは放送してくれるのでしょうか?昔のテレビは自身への批判を含む作品すら、よく流していたものですが。

今や日本は宇宙とお話できてしまう人がトップに座ってしまいましたので、この作品を見るにつけ、フィクションであってほしいものだと思わずにいられません。
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