斬撃ZANGEKI

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zangeki.jpgいやもう、低予算映画です。ちなみに原題は"AGAINST THE DARK"

何かよくわからない治療法のない感染症で人々がゾンビ化、とある病院の生存者が脱出するために出口を求めて彷徨う、と日常的なゾンビ映画です。
そこに救助活動をしている民兵組織「ハンター」が合流する、というのだけが付け加わっています。もちろんセガールたちですね。

まず、前半が退屈です。拳銃すら持たない全くの一般人ですから仕方ないのかもしれませんが、それこそ女優の胸ぐらいしか見所が...。B級ホラーにしては女優が普通に綺麗なので、それはそれで見所ですが、ゾンビが少ないのは考えもの。

後半はテンポも少し良くなりますが、何しろシーンが暗すぎるのでよく見えませんでした。照明を完全に落とせない映画館だったせいもあるのでしょうが。
セガール演ずるタオが剣を振り回すのはもちろん、両手ナイフのタガート(タノアイ・リード)も格好良かったので、もうちょっと堪能したかったところ。

娘ソフィー(アンドレーア・ウングレアヌ)が理性あるゾンビになったという外科医サージョン(クローデュ・ブリュオント)のシーンは、この映画に少しだけ個性を与えています。しかし他の感染者からサージョンを守れるほどの戦闘力を持つソフィーは、戦闘シーンもないまま退場してしまいました。
時節柄、子どもが死ぬシーンは映せなかったのでしょうが、バイオハザードのアリス的なものを多少は見せてもらいたかったものです。

ひたすら脱出するために進むのみと進行は変化がありません。単にゾンビの数が増えていくだけです。別に第三勢力が干渉してくるわけでもなく、ラスボスがいるわけでもなく、これはさすがにいただけません。
また登場人物が分断されている時間が長すぎ、位置関係が把握しづらくなっています。観客を混乱させるのは良くないです。

軍の空爆予定時刻が迫るのも、当事者達は知らない話なので、「しむらーうしろうしろ」的に観客だけが緊迫することを強いられます。登場人物達が急いでミスするぐらいの描写は欲しかったです。

この世がゾンビのものになったら我々の方がモンスターだ、とか思わせぶりな台詞もありますが、恐らく深い意味はあまりなく、もちろん伏線はほとんど回収されず。
バイオと設定が被ってでも、やはりソフィーは人体実験の産物だった方がとも思いますが、投げっぱなしのB級臭も乙なものなので、問題ないかもしれません。

爆撃のために出てくるF-15は低予算っぷりが際立ちます。離陸は恐らく資料映像か何かの流用でしょう。飛行中はCGというか、迂回する理由もない目標地点への巡航中に急旋回する意味はないのですから、普通に飛ばせてあげてください。着弾シーンに至ってはもう痛々しくて...。

前半さえ何とかなれば、もう少し良いB級映画になれたかもしれませんが、ごらんの有様だよ!

パンフレットを買えなかったのが心残りです。ネットオークションに出品されないですかねー。

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