同僚の寿退社の送別会がありました。女性の結婚が身近であったのは初めてのことでした。また一つ貴重な人生経験。
夕方から雷が鳴ってはいましたし、かなり地面も濡れてはいましたが、夕方まではただの雷雨でした。それが、送別会から帰る頃になってみたら、ほんの3時間前に通った場所が何ヶ所も冠水しており、驚いてしまいました。雷の割りには停電はなかったようですが、自宅アパート横も落ち葉などが散乱しており、こちらもうっすら水が張っていました。日中に見たなら泥水が見えたことと思われます。
ここは埼玉北東部の県境、加須市。すぐ南東側の久喜市で67ミリの降水量があったとのことで、古久喜で一部通行止めとテレビのテロップに出ています。当然、至る所に大雨洪水警報。北東側の茨城県古河市等には土砂災害警戒情報も出ているような状態で、パトカーも多数、道路の様子を見回っています。
10ミリあったら普通の大雨、従来「バケツをひっくり返したような雨」というのは20ミリだと聞きますが、昨今のこの豪雨は何でしょうか。気象庁では「ゲリラ豪雨」という名前を付けましたが、亜熱帯化しているという指摘は以前からあったので、これはもうスコールではないかと思うのです。
雷はインフラのうち電気を止めます。そして雨はインフラのうち道路を止め、さらに衣食住の住そのものを破壊する場合さえあります。天災には忘れた頃にやってくる程度のさじ加減が欲しいものです。
まず柔道男子100kg級のツブシンバヤルについて。試合をほとんど見られませんでした。鈴木桂治を破った相手を見たかったのですが、中継予定だったフジテレビは日本人が負けたと知るや、体操男子個人総合(前日にNHKが中継した種目のVTR)に切り替えてしまったのです。低俗な放送局だとは思っていましたが、これほど救いようがない無責任な局だとは知りませんでした。今後一切未来永劫、五輪の中継はしてもらいたくありません。ニュースもどきも止めて、一日中お好きなバラエティでもやってたらいかがでしょうか。
陸上ではジャマイカのウサイン・ボルトが100m、200mの二冠、しかも両方で世界新。100mは自身の世界記録9秒72を、しかも最後を少し流して破ってしまいました。人間は遂に9秒7の壁を破ったのです。そして200mは、あのマイケル・ジョンソンが「驚くほど速いのが自分でわかった」と語った、400mとの二冠を達成したあのアトランタの19秒32を破っての快挙。ジョンソンはこのレースで足を少し痛めてマイルリレーを欠場したのですが、ボルトは4×100mリレーにも出場するようです。
水泳では北島康介の二種目二冠、中村礼子の連続銅、松田丈志の銅、さらに男子メドレーリレーでも銅を獲得しました。追われる者としての北島の勝利は、最初より何倍にも重いでしょう。そしてやはりマイケル・フェルプスの八冠。表彰式の直後に予選があるような大変なスケジュールでしたし、中には1/100秒レベルのデッドヒートもありましたが、出場全てで勝ってしまいました。平泳ぎが少し苦手だそうで、北島との対決は見られないのですが、これ以上勝てる見込みのある種目がある人間が今後登場するのかどうか。超人の偉業を目撃できたことを嬉しく思います。
フェンシング男子フルーレで太田雄貴が銀メダル。しかも準決勝で世界ランク1位を破っています。日本では少女マンガぐらいでしか普段は目にしない競技ですが、外国人に柔道(JUDOでなく)ができるなら日本人にフェンシングができたっておかしくないわけです。新聞に配信された写真がどれもこれも背景が真っ黒で、なぜコラージュのような写真になってるのかと思ったら、そのような演出がされた会場だったと後から知りました。観客から剣先が見えるようにでしょうか。竹刀がそれなりに重い剣道でさえ素人には見えないのに、軽量のフェンシングの剣捌きなど、どっちみち目にも止まらぬ世界ではありました。
正式種目最後の年、女子ソフトボールの金メダル。あのアメリカを遂に大舞台で破っての悲願達成。女子サッカー大躍進の4位。とてもアグレッシブで応援する側も楽しい試合でした。女子クレー射撃で中山由起枝が4位。ジリジリする神経戦でした。
ちょっとチャンネルを回したら、馴染みのない競技の映像に出逢えるのが五輪の醍醐味です。
踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃ損損♪
選手入場が始まってからですが、北京五輪の開会式を見てみました。選手の皆様、楽しそうで何よりでした。政治的には色々ありますし、日本人としては最近も冷凍餃子のスクープが出たりして、あまり嬉しくないネタが多いですが、それは参加選手には関係ない話ですしね。
それでもなお政治的な話をするとすれば、中国政府の意向はともかく、アメリカを筆頭にこれ程の国家元首が集まった大会は、極めて珍しいのではないでしょうか。世界中の生産活動の中心を占め、世界最多の人口を誇る、冷戦後世界の超大国と呼ぶに値する国の国力は間違いなく示したところです。
そして聖火点灯、最終走者がワイヤーで空を飛びました。アナクロですが、文字通り空を駈けて、会場の屋根のあたりを一周する演出は好きです。少し離れた場所で装置に着火、機械仕掛けで聖火台に点灯というアイデア自体はモスクワでもやったことですが、速度と火力が段違いでした。さらに会場周辺を含めた中国各地で花火が華々しく打ち上げられ、中国らしさの本領発揮です。
小手先に頼らない物量とスケール感は中国ならではです。踊り子の衣装が無国籍になってしまっていたのが物足りなかったのですが、聖火点灯は圧倒的でした。
スポーツの祭典、一人でも多くの選手が実力を発揮できることを祈ります。
「アルスラーン戦記」が出版社を移籍していたと知ったのはつい昨年でした。最近になって続刊を入手、既刊最新の12巻まで読み終えたところです。
ザッハークの手下共が地上に出てきちゃいました。一方でヒルメスとギスカールも地歩を固めて来ています。特にヒルメスの方は急激に動きました。シンドゥラがもう一度来ることはないと仮定しても、パルス、デマヴァント山の下の連中、ヒルメスのミスル、ギスカールのマルヤムと四つ巴になるようです。チュルクが動き始めましたが現状では未知数。
もっとも、既に交易面ではちょっかいを出していますし、このまま闇の眷属が暴れ続ければ、地理的に近いシンドゥラの御仁の退屈の虫が騒ぎ出すのは目に見えているでしょう。
この作品に手を付けたのは、「サイレント・メビウス」劇場版を見に行った際、同時上映で偶然見たのがきっかけでした。1991年といったら17年前ですか。既に「銀河英雄伝説」は読破後だったと思います。ダリューンの格好良さに惹かれたのですが、今は特に好きなのはヒルメスとギスカールの敵勢力二人です。もちろんダリューンもアルスラーンも、大半の登場人物に感情移入するのが私の読み方なので、蛇王一党以外に嫌いなキャラは皆無です。
ヒルメス好きの人は多いと思われますが、ギスカールが好きな人はかなり少ないのではないでしょうか。というのは、ヒルメスが武人(しかも薄幸)なのに対して、ギスカールは野心の苦労人ですが仁義の人ではないからです。打算優先、エステルに濡れ衣を着せてしまいますし、悪役一直線です。しかし、アルスラーンを甘ちゃん、ヒルメスを軍記物語の王道キャラとすれば、ギスカールが一番為政者の姿でもあり、彼の妥協点がどこにあるのか気になって仕方ありません。ヒルメスの妥協点は比較的想像しやすいのですが(対パルス敗戦後にマルヤムで落ち着く...本命、討ち果たされる...対抗、落ち延びてひっそり...押さえ、パルス征服...穴)、ギスカールは見えません。
やがてルシタニアに凱旋するのでしょうが、そこから先に、或いはその前に何をしようというのか。ミスルとの同盟はあるのか(全面対立はないにせよ)、パルス包囲網を仕掛けるのか、それとも漁夫の利を取ろうとするのか。
物語も佳境に入りつつありますが、もうひと波乱を楽しみにしていられそうです。