五輪をいくつか

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まず柔道男子100kg級のツブシンバヤルについて。試合をほとんど見られませんでした。鈴木桂治を破った相手を見たかったのですが、中継予定だったフジテレビは日本人が負けたと知るや、体操男子個人総合(前日にNHKが中継した種目のVTR)に切り替えてしまったのです。低俗な放送局だとは思っていましたが、これほど救いようがない無責任な局だとは知りませんでした。今後一切未来永劫、五輪の中継はしてもらいたくありません。ニュースもどきも止めて、一日中お好きなバラエティでもやってたらいかがでしょうか。

陸上ではジャマイカのウサイン・ボルトが100m、200mの二冠、しかも両方で世界新。100mは自身の世界記録9秒72を、しかも最後を少し流して破ってしまいました。人間は遂に9秒7の壁を破ったのです。そして200mは、あのマイケル・ジョンソンが「驚くほど速いのが自分でわかった」と語った、400mとの二冠を達成したあのアトランタの19秒32を破っての快挙。ジョンソンはこのレースで足を少し痛めてマイルリレーを欠場したのですが、ボルトは4×100mリレーにも出場するようです。

水泳では北島康介の二種目二冠、中村礼子の連続銅、松田丈志の銅、さらに男子メドレーリレーでも銅を獲得しました。追われる者としての北島の勝利は、最初より何倍にも重いでしょう。そしてやはりマイケル・フェルプスの八冠。表彰式の直後に予選があるような大変なスケジュールでしたし、中には1/100秒レベルのデッドヒートもありましたが、出場全てで勝ってしまいました。平泳ぎが少し苦手だそうで、北島との対決は見られないのですが、これ以上勝てる見込みのある種目がある人間が今後登場するのかどうか。超人の偉業を目撃できたことを嬉しく思います。

フェンシング男子フルーレで太田雄貴が銀メダル。しかも準決勝で世界ランク1位を破っています。日本では少女マンガぐらいでしか普段は目にしない競技ですが、外国人に柔道(JUDOでなく)ができるなら日本人にフェンシングができたっておかしくないわけです。新聞に配信された写真がどれもこれも背景が真っ黒で、なぜコラージュのような写真になってるのかと思ったら、そのような演出がされた会場だったと後から知りました。観客から剣先が見えるようにでしょうか。竹刀がそれなりに重い剣道でさえ素人には見えないのに、軽量のフェンシングの剣捌きなど、どっちみち目にも止まらぬ世界ではありました。

正式種目最後の年、女子ソフトボールの金メダル。あのアメリカを遂に大舞台で破っての悲願達成。女子サッカー大躍進の4位。とてもアグレッシブで応援する側も楽しい試合でした。女子クレー射撃で中山由起枝が4位。ジリジリする神経戦でした。

ちょっとチャンネルを回したら、馴染みのない競技の映像に出逢えるのが五輪の醍醐味です。

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