2010年12月アーカイブ

Sacrifice

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「たったひとつの冴えたやりかた」という言い回しを時々目にしていました。至近では「よくわかる現代魔法」だったでしょうか。妙に存在感のある表現を複数の人が使っている時、そこには大抵元ネタがあるのです。

極限状態の選択を描く「方程式もの」という作品群があるそうな。極限状態なら何しても許されるんと違うかな、と他人事視点で見る限りは単にあざとい設定でしかないので、どれだけ感情移入するか(させるか)で評価が大きく変わるでしょう。それでなのかどうか、代名詞になったトム・ゴドウィン「冷たい方程式」も本作と同じく、少女が標的となっていたようです。

本作は、初めて宇宙に出た夢いっぱいの少女コーティーが、救済不能の状況に陥ってしまい、その中で一番マシな方法として死を選択するという、まことに救いのねぇ話となっています。表題そのものの汎用性もあるでしょうが、女の子らしさが存分に表現されているのと、友達になった宇宙生物シロベーンもろともに死ぬ結末によって、語り継がれているのでしょう。

文庫には三編収録されていますが、少し長めの「衝突」も印象的でした。公式のファーストコンタクト以前に、ならず者による不幸な接触があったとしたら、誤解を解くのに大変な努力が必要でしょう。地球上でも繰り返されていることです。

この作品では思念の領域という変わったものが設定されています。これに従って考えると、人間が自分を人間だと普通に認識できているのは、人間が集まることで発せられる思念が我々を覆っているためである、となります。その領域に異邦人が踏み入ると、「こういう姿でこう振る舞わねばならない」というプレッシャーを感じるとか。

海外を旅行すると、言葉だけでなく自分の服装、肌や髪の色、といったものに当然ながら違いを感じるわけですが、それをもっと強調した概念でしょうか。宇宙船の乗組員がそれを感じ、思念との仮説を立てた時、「人間も実は同じことをしているんじゃないか」と反応するのですが、「できる」でなく「している」なのが興味深いところ。

作風や特にSFガジェットに古くささがありますが、「衝突」は万人にお勧めできるのではないかと思います。

お前はもう用済みだ!

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いくつか備忘録。

Windows VistaのService Packをもうアンインストールしない場合に、不要ファイルを削除するには、
SP1    vsp1cln.exe
SP2    compcln.exe

Windows XPで以下同文は、C:\Windows\$NtServicePackUninstall$を削除し、アンインストール項目もレジストリから削除。こちら

言語パックの追加または削除後、イベントログにLanguagePackSetupのエラーが記録され続ける場合、タスクスケジューラからLpksetupを無効にすると回避可能。
場所は「タスク スケジューラ ライブラリ」~「Microsoft」~「Windows」~「MUI」。

Visual Studio 2008とWindows SDK 6.1を入れた後、Windows SDK Configuration Toolが落ちてしまう修正はこちら

Visual Studio 2008のService Pack 1はWindows SDK 6.1の後に入れること。さもないと一部ライブラリが旧バージョンに上書きされ不整合が起こります。
http://support.microsoft.com/kb/974223/ja

このVS2008の2件にはMicrosoftの品質管理に疑念を持たざるを得ません。

松崎しげる宇宙へ

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starwars_ntv.jpg日本初放送のスターウォーズをようやくDVDにしました。放送されたのは1983/10/5ですから、私は小学3年生ですね。

引っ越しでRDR-HX92Wを処分してしまったので、DVR-77Hに分割して取り込み、PC上で繋げて2層にオーサリングしています。SL-J10録画、再生はいつものSL-2100。

保存状態はあまり良くなく、何カ所かで映像が飛んでいました。文字通りテープが擦り切れるほど見たものなので、ソロとチューバッカがストームトルーパーを追いかけたら団体さんがいたシーンに関しては、当時からの欠損で懐かしく思い出しました。

Ep.4限定ですが、松崎しげるハン・ソロは結構好きなんですよ。これが辛気くさいEp.5や、特にラブストーリーが入るEp.6になると、彼の声では似合わなくなるのですが、豪快な感じは単純活劇には適任です。宇宙港の酒場でジャバの手下と対峙するシーンや、ダース・ベイダーの僚機を急襲するシーンなどは最高です。

ベイダーの吹き替えもこれが好きです。レイア姫に白黒時代の吹き替えのような古さを感じるのと、ルークが掠れ声すぎるのが問題ですが。

本編冒頭からテレビ局のスタジオに繋げる寸劇は批判の声も多いのですが、今では、まあ、いいんじゃないかと思うようになりました。テレビも商売ですから、見てもらわなければなりません。女子供ならぬ男子供は放っておいてもSF活劇に飛びつくでしょうが、お茶の間全体を楽しませるにはショーアップも必要でしょう。

しかしタイアップが機能していない時代だったのですね。1983年はEp.6の年ですが、封切りは7/2らしいのです。10/5はまだまだ上映していたはずですが、何とか間に合わせた感じでしょうか。

さて、数十年を経たエアチェックの楽しみはCMの楽しみです。いすゞアスカターボとか、ワンダーシビックとか、東芝TOSWORD JW-1とか、貴重なものが入っていました。当時は既にMZ-2000を触っていた頃ですが、ワープロなるものの存在を知りませんでしたから、こんなCMは全く記憶にありませんでした。

HandBrakeと音飛び

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通勤途中でせっせと見ている「アインシュタイン・ロマン」ですが、時々音が飛んでいます。オリジナルは3倍モードのVHSで、深夜の一挙再放送で録画したものです。180分テープに全話。これをRDR-HX92WでDVDにしたものは正常でした。

どうやらノイズが強いソースだと、音が飛ぶことがあるようです。このテープもヒスノイズが強めに入っています。しかもノイズレベルが時々強くなり、その少し後で音飛びが発生していました。

試しにNeroのAACエンコーダを使ってMUXし直したところ、回避できました。手順の概要は、

1. MP4Boxの-rawでMP4からH.264を取り出す
2. DVD DecrypterでDVDからAC-3を取り出す
3. えこでこツールで2.をWAVに戻す
4. wavdelで3.から遅延分(2.参照)をカットする
5. NeroAACEncで4.をAACにする
6. MP4Boxで1.と5.から再びMP4にする

つい9月まではH.264やMP4の扱いを全く知らなかったというのに。

faacの問題は音質だけではなかったのですね。ひとまず「アインシュタイン・ロマン」全6話分についてだけ、Neroで処理し直しました。

私家版にQuickTimeのAACエンコーダを組み込んだものがあったので、今後作る分はそちらに移行しています。

...でもノイズを何とかしたいなあ...SoundEngineあたりで処理してみようかなあ...「新・電子立国」も一部乱れてる箇所があるなあ...。深みにはまっていきます。

カレーの隠し味

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NASAの発表はリンの代わりにヒ素で活動できる生命の存在でした。ハロモナス類のGFAJ-1株と名付けられています。このハロモナスは重金属好きがいる類でもありますね。

周期表は縦一列を似た性質があると教えています。しかしそれは化合する際の話であって、二酸化炭素とシリカが似ても似つかないように、重さが変われば分子の特性も変わります。

ヒ素は周期表でリンの一周期違いですが、地球上の生命には例外なく確実に毒だと考えられてきました。例えば原油の中で活動する細菌は、ちょっと分解する特技があるだけで、最終的にしていることは同じです。ところがこのバクテリアは、その「最終的」に特技を持ってしまいました。

リンはDNAの構成元素の一つです。DNA=デオキシリボ核酸。核酸の中にリン酸エステルがあります。或いは、DNAの複製開始の信号だったりもします。これがヒ素だと大抵の環境では機能しません。それほど根幹に関わっています。

GFAJ-1自体はまぎれもなく地球上で発生したものですが、これの存在はNASAに影響するのです。地球上の生命であってさえ、これほど変異して生存できるならば、地球外生命の可能性をもっと柔軟に考えなければならないからです。つまり、生命がいそうな天体がずっと多いことになります。

上の例えだと、地球の常温常圧で二酸化炭素は気体ですが、シリカ(二酸化硅素)は固体です。シリカが気体になるには、遥かに高温高圧が必要でしょう。逆に言えば、高温高圧環境には珪素生物がいるかもしれない、ということになるのです

そんな環境の生命は我々と共存できませんが、それでも生命には違いありません。150億光年の中にたった一つの緑の星、そんな想像を絶する荒涼とした無の世界ではないのかもしれない、その可能性が飛躍的に上がったのです。

もっとも、太陽系惑星にいなければ最も近くて4光年の話ですから、日常の感覚で言えば地球生命が孤独なことに変わりはないのですが、宇宙だからにゃ、ということで。

時空

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「アインシュタイン・ロマン」を見返しています。晩年のミヒャエル・エンデが司会を務めたあの怪作です。

不確定性原理の説明が「だるまさんが転んだ」とか、並の発想ではありません。確かにとても説得力がありますが、難解なものをテレビ番組にする企てのため、どれほど議論が重ねられ、次々とアイデアが出されては捨てられたか、伺えようというものです。

今になってようやく気付いたのですが、アインシュタインが特別視したのは光ではなく、光速だったのですね。最も速い、最も捉えにくい現象。その神秘性の中にある速度に、この世界の鍵があると考えたのでしょう。

この世界で最も速い一つの現象が絶対なのではなく、光の速さで世界が成り立っているから絶対、という逆の視点です。だからこそ光速度普遍を信じ、空間が歪むと考えるに至ったのです。

その光速、なんと17世紀には秒速約22万kmだとオーレ・レーマーにより計算されていたそうな。ケプラーやガリレイの没後半世紀足らずの話で、天文学が発展していった時代ですね。木星の衛星の観測により推定した数字で、日常世界では一瞬で到達すると認識されている光ですら、速度があると証明したことは、非常に大きな成果だったでしょう。

それから20世紀になり、時間が変化するとわかり、空間すら歪むとわかり、ありのままが観測できないとわかり、次は何が否定されるのか。科学であれ非科学であれ、発見は常識の殻の中にあるのですね。

魔法騎士

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ネット上ではレアアースの話題が出る度にレイアースの話題をしようとするアホがいるようです。私もその一人ですが(ぇ

口語として日本語で言っても伝わりにくいとは思うのですが、せっかく理科の教科書が周期表に「希土類」と書いているのですから、そう言ってくれれば身近に感じられると思います。

どうせカタカナ語で言っても大半の人にわからない、謎の名前にすぎないのですから、それならわかる人が少し増える呼称を活用してはもらえないでしょうか。

「指針・ガイドライン」とは言ってくれるのに「希土類・レアアース」とは呼んでくれない不思議。
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