時空

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「アインシュタイン・ロマン」を見返しています。晩年のミヒャエル・エンデが司会を務めたあの怪作です。

不確定性原理の説明が「だるまさんが転んだ」とか、並の発想ではありません。確かにとても説得力がありますが、難解なものをテレビ番組にする企てのため、どれほど議論が重ねられ、次々とアイデアが出されては捨てられたか、伺えようというものです。

今になってようやく気付いたのですが、アインシュタインが特別視したのは光ではなく、光速だったのですね。最も速い、最も捉えにくい現象。その神秘性の中にある速度に、この世界の鍵があると考えたのでしょう。

この世界で最も速い一つの現象が絶対なのではなく、光の速さで世界が成り立っているから絶対、という逆の視点です。だからこそ光速度普遍を信じ、空間が歪むと考えるに至ったのです。

その光速、なんと17世紀には秒速約22万kmだとオーレ・レーマーにより計算されていたそうな。ケプラーやガリレイの没後半世紀足らずの話で、天文学が発展していった時代ですね。木星の衛星の観測により推定した数字で、日常世界では一瞬で到達すると認識されている光ですら、速度があると証明したことは、非常に大きな成果だったでしょう。

それから20世紀になり、時間が変化するとわかり、空間すら歪むとわかり、ありのままが観測できないとわかり、次は何が否定されるのか。科学であれ非科学であれ、発見は常識の殻の中にあるのですね。

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