2012年9月アーカイブ

USB 3.0 LANアダプタ (2)

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8月末~9月頭にかけて、USB 3.0 LANアダプタが流通を始めたようです。

一つがSIIG JU-NE0211-S1、もう一つがStarTech.com USB31000S。共にUSD50ほど。後者はチップが明記されており、やはりASIX AX88179でした。

しかしMacBookを強化したため、デスクトップPCがすっかり埃をかぶり、買う予定はなくなってしまいました。

個人的にはそんなことよりThunderboltだったりとか。

時限MessageBox

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Windows XP以降に実装されているUndocumentedなMessageBoxTimeoutというAPIが密かに知られていたらしいのですが、私は最近知りました。
で、これがuser32.libにも含まれていました。

というわけで、

#ifdef IDTIMEOUT
#ifdef __cplusplus
extern "C" {
#endif /* __cplusplus */
int WINAPI MessageBoxTimeoutA(HWND hWnd,LPCSTR lpText,LPCSTR lpCaption,UINT uType,WORD wLanguageId,DWORD dwMilliseconds);
int WINAPI MessageBoxTimeoutW(HWND hWnd,LPCWSTR lpText,LPCWSTR lpCaption,UINT uType,WORD wLanguageId,DWORD dwMilliseconds);
#ifdef __cplusplus
}
#endif /* __cplusplus */
#ifdef UNICODE
#define MessageBoxTimeout  MessageBoxTimeoutW
#else
#define MessageBoxTimeout  MessageBoxTimeoutA
#endif // !UNICODE
#endif // IDTIMEOUT

IDTIMEOUTはXP以降でだけ定義されるので、そのまま流用。
これは名前の通りタイムアウト時の戻り値ですが、MB_OKの場合は常時IDOKが返るので注意。

wLanguageIdはMessageBoxExの説明を参照。通常は0。

MessageBox系APIは全て内部でこれを呼んでいる(dwMillisecondsに0xFFFFFFFF)と書いているサイトもありました。果たして49.7日で閉じるか否か。恐らくWaitForSingleObject同様に無期限扱いになるのでしょう。

今さらXPより前もないですが、ないOSではフックを仕掛けてWM_INITDIALOGの中でSetTimerして、ということになるのでしょう。別スレッドからPostQuitMessageする方法は、親ウィンドウを指定した場合に固まるようなので。

夢の中で眠る

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久々に夢の記憶が残っていたのですが、夜行バスでした。

何やら新宿あたりに用事があって、空き時間の散歩で遠出をしすぎてしまい、帰ろうと路線バスに乗ったら夜行バスだった、というものです。「新宿」は妙に開けた場所で、遠出の先は妙に坂だらけでした。

バスの中でうたた寝(夢の中なのに)していたら随分遠くまで来てしまい、でも路線バスじゃないから降りられず、ようやく降りて、さあどうやって帰ろうか、というあたりで目が覚めました。

なぜか地図が出てくる夢で、川崎市のような形の陸地の西端に「新宿」があるのです。多摩川の北側には何もなく海になっていて、バスを降りた場所は等々力の辺りでした。ただし「ちょっと困るレベルの遠く」と認識されており、縮尺は不明です。

浦和区民であるところの現在、「ちょっと困るレベルの遠く」は黒磯、前橋、水戸、といったあたりです。大雑把に100kmとすると、等々力から西端まで約20kmなので、この「川崎市」は実際の5倍の大きさがあることになります。

ちなみに私の出身は麻生区ですから川崎の西端ですね。なかなか夢判断の題材として面白そうですが、あまり信心深くはないのでした。

何にせよ、夢の中で眠る夢なんて、生まれてこの方あまり見た記憶がありません。もっとも、夢なんてあまり覚えていないものですが。

ハーモニー

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伊東計劃氏の名前を知ったのは...ネット上の口コミだったと思います。何となく「才能を惜しむ」空気があったのは覚えていますが、故人になっていたとは知らずにいました。

最初に手に取ったのがこの「ハーモニー」でした。

読み始めの印象はあまり良くありませんでした。XMLタグが奇をてらいすぎに見えましたし、「生命主義社会」が現代日本の風刺として鋭いとは思ったものの、自殺を目論む少女たち、なんて飽きるほど見た題材でしたから。

でもこのXML風の表記、実は既に使っているんですよね。古くは"(笑)"、悪癖だと思いますが最近では語尾の"w"といったものがそれに当たるでしょう。同じ言葉でも込める感情や口調で受け取り方が変わるものです。声と文字の違いを何とかしようとした試行錯誤がそこにあります。

昔は"(爆死)"とか"(ぉ"とか他にも色々ありましたね。今も特定方面では"(迫真)"とか使っているようですが(震え声)。

以下、ネタバレありです。


というわけで、社会批判の面から維持された好奇心で読み進めました。過去のミァハとその影を背負っている現在のトァン、この二人の切り口だけでも面白いのですが、批評だけなら小説である必要はないわけで。

最初にやられたのはキアンの通話記録のシーンでした。生命が公共リソースとして認識されている以上、死んだと言われたなら確実にミァハは死んだのだろうと思っていたのですが。

冒頭の方で「ミァハとの再会」と確かに書いてはありましたが、比喩だと思ったのです。そっくりの考えを持つ別人や、冴紀ケイタが言っていた「肉体を捨てた精神」としてとか、少なくとも同じ肉体を持った状態で生きているとは考えもしませんでした。

この辺の展開力が恐らく、未読ですが「虐殺器官」でミステリーの賞をも取った理由なのでしょう。

SFらしい架空理論としては、冴紀とガブリエル・エーディンとが解説するところの、意志に関するモデルが中盤でようやく登場します。これがまた説得力がありまして、これを根拠として現代社会を突き詰めた未来を構築したのが本作なのです。

ところで「今の一万クレジットと一年後の二万クレジット」というエーディンの問いに、私は迷うことなく瞬時に後者を選んだですよ。冷静なのは健全ではない場合もあるので、もうちょっと人間味のある思考ができるようになりたいですね。

文明の歴史は自然を克服する歴史。肉体を、病を全て克服できたとしたら、次は精神を克服することになるだろう、というのがテーマになっています。意思が魂だとかいう特別で至高なものでないとしたら。

たとえ脳科学者でも、自分の意識を電流の流れが作る無味乾燥なものだと思っている人はいない、とどこかで読んだ気もしますが、そういう保守的な発想は得てして、後の世代には無意味になっていくものです。時間と共にタブーは薄まっていきます。

果たして現実の世界が精神をも克服しようとするかどうか...。するでしょうね。今のところ精神科の医療は薬が主役です。効率的な方法がそれしかない事情はあれ、簡便な方法が存在すれば必ず容易く使われます。まして作中のように、大義名分があれば止まるはずがありません。

私自身は精神は至高なものだと思っています。この手のものは、なくしかけた人間の方が大切さを説き、そしてそれが理解されることはあまりないのですが。知る人と全く知らない人との断絶は、未来永劫埋まることはありません。

作中では全人類から意識が消失して完璧なハーモニーを奏で...ません。WatchMeの導入率は8割ですし、意識の消失はあくまで後天的なものです。果たしてWatchMe導入前の子どもは、完璧な親とどんな軋轢が生じてしまうのか、多少興味があるところです。

また残された疑問が一つあります。ミァハがなぜキアンを自殺させたのか。ミァハの目的は老人たちに「ハーモニー・プログラム」を発動させることであって、そのためにテロ(本来の意味で)を起こす必要がありました。

キアンが選ばれたのはランダムな結果だと言うのですが、その結果数千人のリストを確認したのはなぜか、たまたま目に入ったとしても、わざわざ話しかけたのはなぜか。

彼女らの組織であれば、キアンがあの錠剤を飲まなかったことを調べられたでしょうが、単なるささやかな復讐だったのか。或いはそうすることでトァンと会いたかったのかもしれない、と思ったりするのでした。


ところで、本筋とは関係ないのでしょうが、登場人物の名前がケルト神話なんですね。細部をすっかり忘れてなお、そんな気がした自分を褒めたいです(何。早速、井村先生の文庫本をひっくり返しました。

ケルト神話では、ギリシア神話のように時代と共に5種族の人間が登場しますが、トァン・マッカラルは最初の種族パーホロンの生き残りで、転生しながら5種族の全てを見て、それを今の人間に伝えた人物です。

他、メジャーな登場人物は5種族の4番目(トゥハ・デ・ダナーン=ダーナ神族)です。以下は全てダーナ神族になります。

ヌァザはヌァダの表記が一般的ですが、魔剣を持つ戦神でダーナ神族の王です。一つ前の種族(フィルボルグ)との戦いで片腕を失い、一時期は銀の義手を付けていました。義手の間はしきたりに従い王位を譲っていましたが、治してもらって復位しました。

ヌァダの腕を元通りに治したのが医術の神ミァハです。同じく医術の神ディアン・ケヒトの息子で、実は義手を作ったのがその父ですが、成果を妬んで殺されてしまいます。その際、自らを3度治し、4度目で遂に死にました。

キアンはキァンと表記されますが、ヌァダの次の王、太陽神ルーの父です。フォモール族との戦いの前に、助力を求めに行く途中で、トゥレンという一族の兄弟に殺されます。でも、スコットランドにコラン・ガン・キァンという首なし妖精がいるようで、自殺シーンに合わせてそちらかもしれません。

エーディンは絶世の美女ですが、本作のストーリー的には特に隠喩もなさそうです。ダーナ神族ミディールの妻でしたが、蝶に身を変えさせられている間に1000年以上過ぎ、再び人間になってからはアイルランド王エオホズの妃となりました。

尖閣問題

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たとえ首都がある最大のものだとしても、地方自治体が所有する分には中国も穏便なコメントを出しようがあったろうに、完全に国有化しておいて「何もしないから勘弁して」なんて、最悪の選択肢じゃないでしょうか。

20年以内に領海が減りそうな気がします。

電子書籍デバイス2012

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アマゾンKindleの新型、Paperwhiteは解像度を上げてきました。6インチの212dpiというと、XGA(1024x768)でしょう。

この解像度自体は、iRiverのStory HDというのが先に投入していたようです。こちらはE InkではなくLG製パネル。

個人的に期待しているソニーReader(これもE Ink)は、解像度800x600の据え置きでした。漫画にはちょっと辛いので、私はまだ様子見です。

E Inkとエプソンが共同開発したという300dpiのパネル、あれぐらいなら16階調でも漫画は楽勝になるでしょう。それを見越して電子化してみましょうか。

液晶?書籍にはダメです。iPadなど別の目的のデバイスで兼用で読むならともかく。でもカラーを重視すれば液晶しか選択肢はありません。
拙作のウィンドウクラスに細工をしたらハマったというお話です。

きっかけはプロパティリスト(SetProp等のあれ)が遅い、と小耳に挟んだことでした。大したウィンドウを作るわけでもありませんが、更新頻度が異様に高いアプリは作ることがあるので、別の方法を試してみようとしたのです。

プロパティリストにはthisポインタを入れておき、メンバ関数でメッセージを処理するというお馴染みの使い方ですが、代わりといってもWTLみたいな頭おかしい実装は技量が及ばないので、静的std::mapにしました。

# 旧BorlandのVCLもWTLと同じ方法だったようですね

これを使って、PnPメッセージを処理するためダミーウィンドウを別スレッド上に実装した、ハードウェアを操作するクラスを書きました。

動作の確認としてコンソールアプリでグローバルに定義し、mainを抜けると...手元ではウィンドウクラスのオブジェクトよりstd::mapオブジェクトが先に破棄され、ウィンドウプロシージャ内でアクセス違反が発生してしまいました。

グローバルのオブジェクトは生成・破棄の順が規格上は未定義で、例えば何かのクラスに従属させるような制御方法もないとのこと。ちなみにマイクロソフトの場合、コンパイル時の出現順に生成し、破棄はその反対順だそうな。

「グローバル」というより静的な(staticに限らず)オブジェクトの寿命をコンパイラが区別できないという話らしく、静的メンバにしても意味はありません。

手っ取り早い回避法は、
  1. プロパティリストに戻す
  2. 後始末関数で明示的にDestroyWindowできるようにする
  3. グローバルで定義せず、他の関数からはポインタ経由とする
といったところでしょうか。

ちゃんとやれば自然と3.になりますが、2.が無難なところでしょうか。デストラクタからも後始末関数を呼んでおけば(始末済みチェックの上で)、3.では明示的に呼ばずに済みます。

工具箱を新調

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toolbox.jpg
工具箱を買い換えました。トラスコのST-350です。日本製ですよ。

これは上段とフタが連動して開くようになっているのですが、昔はこの仕掛けはなかったのでしょうか、よく似たものを父が持っています。

私の最初の工具箱は、赤い山型のものでした。同じトラスコのY-350だったのかもしれません。ボール紙で中の仕切りを作った記憶が残っています。

父も日曜大工をするのと、小さい頃に引っ越し早々増築をして大工さんが身近だったのとで、私も真似事をするようになった、というのが最初でした。恐らく赤い工具箱は小学校に上がる前に買ってもらったと思います。

その山型のが手狭になって買い換えたのが、写真の黒い工具箱です。小学5年ぐらいの頃だったのでしょうか。小学生にしては工具を持ちすぎという気もしますが。

その工具箱を買ったのが、柿生のマルエツでした。スーパーのあのマルエツです。地元の金物屋さんのご主人曰く、日曜大工ブームだったから、スーパーで売られていても不思議ではなかったろう、とのことでした。

しかし小学生は貧乏なので、並んでいた¥980の、父のとよく似た工具箱に散々逡巡して、ふと横にあった¥480のものを買ったのです(¥1980と¥980だったかも)。この"TOOLBOX 350"とだけ刻まれた謎の、鉄板が少しペラい工具箱で、四半世紀以上もあれこれ作ってきました。スチール製の工具箱が千円程度で買えた時代だったのですね。

しかし、あるとき開けたフタと上段側面の間に釘を挟んでしまい、フタに折れ目が付いてしまいました。工具をたくさん入れるとかなりの目方になりますから、フタの歪みは致命的なのです。実家はカーペットでしたから持ち上げる機会が少なかったのですが、フローリングになって持ち上げるようになったら、段々と不安になってきました。

そこでついに買い換えへ。今は樹脂製が主流ですが、本体自体がかさばるのと、自己満足を得られないのとで、今度もスチール製ということに。

上記地元の金物屋さんにリングスターのMB-350はあったのですが、同じ大きさにしたかったので見送り。ふと豊洲のスーパービバホームに行ったらトラスコのがありまして、購入に踏み切りました。

スチール製は山型はそこそこ見かけるのですが、二段はあまり見かけません。ツールキャビネットとかいう大型のものは逆に見るのですが。今時スチール製なんて、昔気質かもの好きしか買わないのかもしれませんね。
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