資本よりシフォンが好きです

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先週の日曜、北浦和駅前で警察官十数人が誰やらを取り押さえようとしている最中で、騒然となっていました。

どうやら北浦和公園での労組の集会に関係があるようですが、駅前でというのが不可解です。このご時世、公衆の面前で弾圧と非難されるような検挙がされるはずもなく、推測するに駅構内から政治活動を始めたので不法侵入扱いになったとかではないでしょうか。

駅は私有地ですので、許可なく敷地内でビラ配りとかをしてはいけません、と明記もされているのですが、先日も常識知らずの不動産販売会社のビラ配りがいましたっけ。

労組もですねー、労働者の権利向上に集中してくれるなら応援する気になるんですけどねえ。なぜ政治的イデオロギーまで掲げるのか、これがわかりません。とりあえず目の前の問題を直視してはもらえないでしょうか。

イデオロギー言うのなら、その主張内容からして恐らく彼らがよく知っているはずの資本論の観点から、折り合いを付ける案を出すことも可能なのではないのでしょうか?

と建設的に考えたいところですが、最近読んだマルクス経済学の入門書が結局のところ「資本家に抵抗せよ」しか言っていなくて、権威主義なのか実際に革命が起こり始めた100年前の視点からほとんど進歩していないことに愕然としました。

確かに資本家のやり口に対する分析は鋭いです。預言書として尊敬するに値しますが、肝心の共産主義国家100年に対する評価が乱暴にまとめれば「ソ連は失敗したから間違っていた、中国は存続したから正しかった」たったこれだけなのです。いくら入門書でもこれはないのではないでしょうか。

「コミュニズムは分かりづらいですから共同体主義と訳してみましょう」と社会主義に近い、別の意味を既に持っている(と読んだ当時は知りませんでしたが)用語にミスリードしてみたり、想像だけで中国の末端を褒めそやしてみたり、素人から見ても問題がありすぎます。

他にも「そもそも所有という概念はキリスト教に根ざしており」...。日本人が日本で出版した本ですよね?日本における所有、特に土地所有の変遷にも触れておいた方が良いと思うのです。班田収授法から墾田永年私財法への流れとか。

大韓航空機撃墜事件、マレーシア航空機撃墜事件については陰謀論を断定口調で持ち出してきますし、「あなたは毒されています」とか...自己啓発セミナーのような上から目線です。「我々が市民を覚醒させる」という前衛とかいう視点でしょうか。

大学生向けの入門書と思いきや理解してもらおうとする体裁になっておらず、また時代錯誤という感想を持ちました。とりあえず「マルクス経済学」の視点から現代社会がどう見えているかを理解するのにだけは役立つでしょう。ちょうどこの日のデモ参加者のような方々の視点を。

余談ですが捕り物の最中、少し離れてビデオ撮影している人がおりまして、てっきり胡散臭い側の人かと思って怪訝な顔して見上げて思い切り映り込んでしまいましたが、よく見たら警察官でした。結構入り乱れていてよくわからなかったのです。

また、ああしたデモの際に出てくる警官隊が警察章の旗を持っているというのも初めて知りました。「軍人は軍人とわかるものを身に付けよ」という戦時国際法を連想したりして、物騒な場面というのは普段とは違うルールが存在するのだろうな、とそんなことも思ったのでした。

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