「第二のオプジーボか」と称して新しい癌の治療法CAR-T(キメラ抗原受容体発現T細胞)なるものがテレビニュース媒体で取り上げられまして、NHKが「T細胞が癌細胞をうまく捕まえられないので強化する」と表現していたのが何のことかと調べてみました。ほぼ落第生ですが私も一応はバイオ系だったのですよ。
見つけたのがこちらの記事。
一つが、抗原の密度が低いためにあまり認識できないということのようです。細胞表面を立体的に見て、識別に使える取っかかりが少ないということでしょう。であれば、その感度を上げるとでも表現される手法は考えられます。一部の白血病に効果があるという、今回承認されたものはこれのようです。
もう一つが、癌細胞は変異したものですから正常な細胞とかなりよく似ているのは明白で、当然識別困難だという有名な話。ただ抗原の数に異常な偏りがあるものも多く、普通なら正常な細胞を攻撃するような抗体の、感度を調整することでその違いを利用する手法。
いずれも個人差・部位差が大きいため、いわゆるオーダーメイド療法にならざるを得ず、従って高額で、かつ治療薬ではなく治療法になるわけですね。
また、いかにも後者の手法は正常細胞をも攻撃しかねませんが、改造したT細胞に停止スイッチ(別の薬でアポトーシスさせる)を持たせるなんて手法もあるそうな。
オプジーボもそうでしたが免疫を使うことが革新的とはいえ、それでも副作用が避けられないところに、癌細胞の厄介さが改めて感じらたのでした。
と言いますか、自己免疫自体は普通に起こっているらしくて、生命活動がどれだけ微妙なものかということでもあるようです。
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