医は仁術

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公式から意見を送れないのでここで感想と愚痴を書きます。

少し前に東京科学博物館で見てきたのですが、物足りないところがありました。各資料の内容を略しすぎと思ったのです。

絵は目玉ですから大々的に展示していましたが、文書の内容について触れていたのは、何の解剖だったか腎臓に墨汁を入れてみた話ぐらいではないでしょうか。

しかもガイドブックでも全く掘り下げておらず、買いませんでした。適当なページの見開きの写真と書物の名前だけって、展示の状態そのものです。付加価値無しの図録は初めてのような気がします。

展示全般について、日本の医学が五臓六腑の伝統的世界から脱していく過程を、時系列で追っていけるのはわかりやすかったです。

またエレキテルが医療器具として使われていたとか、鍼灸が大陸・半島から日本独自にどう改良されていったか、といった豆知識も興味深いものでした。

オーダーメイド医療で3Dプリンタを使用した臓器模型や(心臓がやけに大きかったような)、プロジェクションマッピングによる患部の図示など、最先端の紹介もUIに携わる者として大変感銘を受けたところです。

時期は一気にさかのぼりますが、病気を鬼として表していたなんて、最近読んだ陰陽道の小説(三田村信行「風の陰陽師」)にも出てくるので、やっぱりこんな感じなのかと思ったり。

全体として悪くなかったのですが、それだけに当時の医学書の絵以外の内容をもっと知りたかったと思いました。

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