永山則夫

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Eテレで先ほどまで「永山則夫100時間の告白~封印された精神鑑定の真実」を放送していました。

しかしまあ、結論ありきででっち上げた理由だとしても、「同じ境遇でも他の兄弟はまともに成長した」って裁判官はバカなんでしょうか。いやバカです。

そもそもギャンブル三昧だの詐欺罪だの精神病だの、全然まともじゃないってのは、番組でも触れられている通りですが、逃げる場所がありさえすれば、確かに負担は軽くなります。「子供は勝手に育つ」というのが正にそれです。

「弱いものがさらに弱いものを叩く」わけで、一番弱い立場の所にしわ寄せが行きますから、一番下の子が酷いことになるのは自明だと思うのですがね。お育ちの良いエリート様にはわからないのでしょう。わからないのに裁くって何の支配者でしょうね。

この番組と同じ証言テープを元にした本が岩波書店から出ていますが、、例えばAmazonのレビューは概ね、つまり他人事です。それが私の絶望の種でもあります。

私はこの番組であるとか、太宰治の「人間失格」だとか、大抵感じるのは親近感です。「この人もか」「ああ、やっぱりそうなるよね」

説明しても理解されることはないし、説明を試みることで自分が奇異な目で見られる事態を招くため、孤立を一人で耐える他はないのです。

現在も続いているにせよ或いは過去だけにせよ、被差別者はこの世のありとあらゆる場所に「壁」が見えています。「まともな世界」というそれ自体も一種の派閥のような「壁」であり、その存在自体が被差別者を苛むのです。

本音を少しでも漏らせばその瞬間から差別が始まるかもしれない。毎日が仮面の陰で、日々の些細な日常全てが演技と孤立。どこにも私が存在できない。

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