別のリーマンさん

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NHKスペシャル「魔性の難問 ~リーマン予想・天才たちの闘い~」が放送されました。まだ解かれていませんが、素数に関わるリーマン予想という問題を扱った話です。軽く暗号技術との関わりにも触れられていました。

2年前、ポアンカレ予想を扱った「100年の難問はなぜ解けたのか ~天才数学者 失踪の謎~」がありましたが、今回も廃人が出るような世界の話です。

最初にオイラーの話が出てきました。後にオイラー積と呼ばれる素数の式が、円周率を表していた、という話。
それ自体も驚くような話ですが、何を意味するのか知らずに数式を作って解いてみる、というのも門外漢には理解不能ではあります。パズルを作ってみる感覚なのでしょうか?

そしてリーマンの予想「ゼータ関数(オイラー積を拡張したもの)の非自明なゼロ点は一直線上に並ぶだろう」。
ごめんなさい、曲面関数すらわからないので、立体的に視覚化されても、なぜそう表現できるのかがわかりません...。

そのゼロ点の間隔を表すと予想した式が、原子核のエネルギー間隔の式とうり二つだった、という衝撃的な話が出てきました(まだ解かれていないので、この式は最終的には関係ないかもしれません)。オイラーの「実は円周率だった」も驚くべき事ですが、今度は原子物理学にたどり着いてしまいました。
確かポアンカレ予想を解いたグリゴリー・ペレルマンも、物理学からアプローチしていたはずです。純粋に数だけを扱っていたはずの数学が、いつの間にか自然世界の現象と戦っていた、というのは鳥肌が立つような壮大な、少し恐ろしい話です。

素数には「発見」という言葉が使われるぐらい、全く未知のものだったのです。そして実用的な処理時間で使える、できるだけ大きな素数を使うことで、暗号は安全になります。その素数に法則があったとしたら、暗号解読は飛躍的に簡単になってしまうのかもしれません。
その時は、素数と関係のない暗号にシフトするのか、最終兵器の量子暗号になるのか。

さて、魔性の難問と100年の難問と、その長編がハイビジョン特集で放送されます。それぞれ今月21日と23日です。ポアンカレの方も今度こそ録画してみましょう。

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