2020年1月アーカイブ

スターウォーズを劇場で初めて見てきました。以下ネタバレです。

Ep.1の頃にあったらしい4~6の再上映を見ておくべきでしたが、何の因果か今のところ最低評価のEp.9が最初で恐らく最後のスターウォーズ劇場鑑賞となりました。

駆け足で説明不足とは指摘せざるを得ないでしょう。例えばルークがエクセゴルを探っていたといつ語られたのか、あの記録はいつ渡されたのか。そしてレイアがレイにジェダイの修行をさせているのはどういうことなのか。

一応設定だけはある程度追いかけたことがあるので、ジェダイアカデミー再建あたりのスピンオフで、ハン・ソロの息子はもちろんレイアもチューバッカの息子(!)もジェダイになったという話は耳にしています。

他にもシスはクローン技術を持っているとか。ですので、制作陣がそこらの情報を把握している、或いは「した」ことだけは言えるのですが...。しかしEp.7~9通して過去作品に比べ作りが雑と見なされて仕方がないところ。

# シスの子孫ってのはあまり聞かないような...

レイアがジェダイ「だった」ことをEp.7で触れておけば、Ep.8で宇宙空間を飛んだとしても、それほど呆然とさせることはなかったろうし、Ep.9でライトセイバーを託されるのも何も問題ありません。

Ep.8の内容が空っぽだったのはキャリー・フィッシャー死去の影響だろうと思いたいですが、レイの出自はEp.5のルークとベイダー同様Ep.8で明かしておくべきだったでしょう。自分に向き合う描写が足りなさすぎました。

また、そもそもレイがなぜ戦うのかの動機付け、特になぜカイロ・レンと互いに執着しているのかがいまいち伝わってきませんでした。ルークの弟子という共通項はありますし、Ep.8でルークが身を挺して語りかけ力尽きたのを目撃しましたから、「師匠の後を継いで」レンを救うというレイ側の理由がEp.9以降にはあります。

ではレンがレイに執着する理由は? 暗黒面に引き入れて味方にしたい。そうかもしれませんがEp.8でスノークを倒す理由も不明で、私にはむしろあれはEp.6のベイダー同様、立ち直ったようにすら見えたのですが...。スノークの手下というのも居場所には違いないでしょう。逆らう理由がわからないのです。

そもそもで行くとレイがいきなりライトセイバーを使いこなすのは擁護不能です。元ストームトルーパーのフィンならまだわかります。ロイヤルガードはかなりの手練れですし、下っ端に剣術好きがたまたまいても理不尽ということはありません。フォースを持たなくてもジェダイを倒し得ることはクローン戦役前後の時代に証明済みです。

ただどちらが活躍する筋立てにせよ、Ep.7のレンが弱すぎるという問題点は残ります。悪役が弱くては盛り上がりません。悪役側の葛藤はあくまで主人公側に対して強い上でこそ感情移入するのです。

結局9作通して暗黒卿ダース・シディアスを倒す話でした、でも構いませんが、であれば遅くともEp.8までに顔見せはすべきだったでしょう。スノークの背後にいることを示唆するぐらいのことをすれば良かったものを。

Ep.1~6がシディアスの話でしたから、9までその話になるのは仕方ないのかもしれません。大作映画としてあれ以上の悪役を作り出すことができないのであれば、クローンシディアスより他にどうにもしようもなかったでしょうか。

# クローンなのに半ゾンビなのはなぜ...

ええまあ、わかっていますよ。どうせ3作全体として魅力的なストーリーを作れないまま制作し、恐らくEp.9を前に理解のある誰やらから入れ知恵やテコ入れがあったぐらいのところでしょう。

レンに命を与えられたレイがスカイウォーカーを名乗る終わり方は、Ep.1の「バランスをもたらす者」から延々と引っ張ってきたものと思われます。これ自体は良い着地点だと思います。

Ep.9単体で見れば、言い換えればEP.7~8で充分な伏線が張られ、できればレイの出自もEp.8で明らかにされていたと仮定すれば、駆け足なこと以外は悪くなかったのが救いでしょうか。特にC=3POの扱いがEp.5並に笑えたのは良かったです。
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